『山で出合ったスゴイ人(その5)』

 今回の山行は、中央線猿橋駅から御前山に登り、九鬼山まで縦走して禾生駅に下るという5時間少々の行程であった。その際に九鬼山の頂上で出合ったスゴイ人について紹介したい。
 過去のブログの中でも「山で出合ったスゴイ人」として4・5人紹介してきたが、全て男性であった。今回は初めて本格的に「スゴイ女性」の登場である。彼女は目黒在住の中年で知性的な美人だ。
 頂上での会話とその後のメールから伺い知れたこととはこうだ。
まず登山形態は常に単独行でありバリエーションルートが専門。この日も大月駅から沢井沢の頭に登り九鬼山まで縦走してから九鬼山の北東尾根を小沢集落まで下り、県道509号線で田中集落に出て、そこからヤブ漕ぎをしつつ神楽山に登り返して、猿橋駅に出るという恐らく8時間近い行程を歩き切っている。しかも登り・下りはバリエーションルート、ヤマケイマップには載っていない所を歩いているのだ。
 しかもそれだけではない。そんな山行を週に3回もやっていると言うからスゴイ!
その上、16年間の山行歴の中では、熊や猪に何回か遭遇したり、不思議な遭難回避の体験もあるという。  実際、両神山の下りでは子ずれの親熊に飛びかかられ、からくも難を逃れたという体験の持ち主である。
 一般的に多くの山をやった人が行き着く先には色々あると思う。一般の登山ルートでは飽き足らずに難しい岩場(クライミング)に向かう人、藪山専門になる人、バリエーションルート登山に入り込む人、特定のテーマを設けては緩い登山を続ける人、情熱がさめて自然にやめてしまう人・・・。
 彼女がバリエーションルートにのめり込む訳をどうしても知りたくて直接尋ねたところ、
*困難であるほど味わいが深いこと、*一般道を何回やるよりも登山技術が格段に上がること、
*自然との一体感を味わえる場所がより沢山あること・・・等々20項目に近いその理由が返ってきた。
 大雑把にまとめると次の通りだ。
「その様な難しくチャレンジングな山でこそ、登山の計画・実行・事後の全ての段階で、より濃密な・より深い・より高度で高尚な心・技・体の成果が得られるから・・・」となるだろうか。
 そして「その様に濃度の濃い山行は、しっかりと記憶され消えることがないから・・・」とも言っている。
 さらにその様な登山スタイルを通じて得られた不思議な体験から、山の生命エネルギー(プラーナ)や山のスピリチュアルなモノにも深い関心を持つ様になり、研究中だと言う。
 小柄な中年女性のどこにそれ程のパワーが潜んでいるのだろうか、何故その様な登山形態を求めるのだろうか、と会った当初は不思議に思ったものだったが、追求している物がハナから違うのだ。しっかりとした信念と哲学を持って山に向き合っている。これは正に求道者の姿勢であり境地なのだと納得すれば理解できる。
 だから下手な助言や注意喚起などはむしろ失礼に当たるに違いない。ただただ無事に続けて欲しいと願うばかりである。
 さて、そんな「山で出合ったスゴイ人」ではあるが、頂上の写真を送ってあげたお礼のメールによれば、九鬼山北東尾根の下山中に出合った祠を精魂込めて清掃したり、郷の老人達と話し込んだり・・・反面心優しいところも持ち合わせている人だと知って嬉しい気持ちにもさせてもらった次第である。
                   (御前山・九鬼山(2019.2.28)山行記録抜粋)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント